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下肢静脈瘤の治療について

下肢静脈瘤の治療はレーザーによる血管内焼灼術治療が主流になってきています。

下肢静脈瘤の様々な治療

血管内カテーテル治療(下肢静脈瘤血管内焼灼術)

ELVeS1470カテーテル治療(厚労省の承認 保険適用)

レーザーによる血管内焼灼術治療は、従来の下肢静脈瘤治療で行われてきたストリッピング手術や硬化療法による治療に比べ様々な利点があり、レーザー治療が下肢静脈瘤治療の主流になってきています。

伏在静脈本幹の拡張や蛇行が著しい場合には伏在静脈本幹を引き抜く必要がありますが、そうでない場合にはレーザー焼灼で治療可能です。

レーザーカテーテル治療の利点

  • カテーテル治療は、ご高齢な方や小さなキズでも気になる方におすすめできる治療法です。
  • 手術の時間は一カ所15分前後ですので、局所麻酔だけで行いますので麻酔のリスクがかなり低くなりますし、終わればすぐに帰宅出来ます。
  • カテーテル治療では血管の内側から伏在静脈の根元に到達し治療を行います。伏在静脈の根元が筋肉の奥に存在しても問題なく処理することが可能です。
  • 通常の手術では、血液をさらさらにするワーファリン、バイアスピリン、プラビックス、プレタールなどの薬を服用している場合、出血の可能性がありますが、カテーテル治療では安全かつ有効性に影響なく治療できます。
  • 細いファイバーを挿入して治療するため、傷口が目立たず、治癒も比較的早くなります。

レーザーカテーテル治療の方法

膝の内側かふくらはぎから細いレーザーファイバーを挿入して伏在静脈本幹を焼灼します。

この焼灼により血管の内側が焼灼され血液が通らなくなり問題のある血管のみをなくします。

優れた治療効果

レーザーの熱は直接静脈壁に作用するため、より高い治療効果を発揮します。

危険性あるいは合併症

焼灼部位の皮膚に色素沈着や引き攣れができる場合がありますが時間経過と共に自然と消えていきます。壊れた治療する静脈と正常な静脈の接合部には手術直後にかさぶた(血栓)が一時的に出来ますが、通常2週間程度で溶けて無くなります。大きくなったり、いびつな形をしていないかは手術後に外来通院でエコー検査でチェック致します。

レーザーカテーテル治療手術の流れ

  1. 手術当日
    超音波検査で手術部位を確認ししるしをつけます。
  2. 手術室へ
    手術室に入り、点滴の準備や 心電図と血圧などのモニターを 装着します。
  3. 手術開始
    局所麻酔を行って手術開始です。お話をしながらの手術となります。
  4. 手術終了・ご帰宅
    手術所要時間は約15分が目安です。 手術後はすぐに動けますので、包帯、弾性ストッキング着用後にご帰宅となります。
  5. 術後について
    3日以内に超音波検査を行い、 伏在静脈のつけ根のチェックを行います。
*手術後の入浴とシャワー

手術当日は入浴とシャワー禁止です。翌日からはシャワーは可能です。入浴は手術後2日目から可能になります。

硬化療法

硬化療法は下肢静脈瘤の治療に多く用いられています。ただし、伏在静脈本幹の弁不全が顕著な場合、一時的な効果しか得られないため、カテーテル手術と併用されるケースが多くなります。

硬化療法の方法

気になる静脈に血管を固めるフォーム化した硬化剤を注射して、弾性包帯で圧迫することで血管内に炎症を起こし、患部の静脈を閉塞させる治療です。

硬化し、完全に閉塞した静脈は徐々に小さくなっていき、最終的には組織に全て吸収され消えていきます。

硬化療法の流れ

  1. 手術当日
    患者様の希望部位をお聞きし、ポリドカノール2ml内で可能な部位を行います。
  2. 治療
    寝た姿勢で行いますが、立位を取って頂く事もあります。治療部位を消毒し、細い注射針で注射します。その後、ガーゼで圧迫し包帯で圧迫します。
  3. 手術終了・ご帰宅後
    24時間後に包帯は外し日中のみ弾性ストッキングを着用します。弾性ストッキング着用期間は1週間後の診療の際に医師から指示があります。

硬化治療でご来院される際のご注意

硬化療法を受けた後は、包帯をしっかり巻きますので、ゆとりのあるズボンや長めのスカートを着用してご来院ください。

また、靴に関しては、高いヒールの靴やサンダル、ブーツなどを避けてください。

危険性あるいは合併症

しこりや色素沈着の可能性があります。 硬化剤を注入した部分にしこりができることがあり、治療後2~3週目頃に最も目立ちますが、その後徐々に小さくなっていきます。また、硬化療法を行った部分の血管に沿った場所が茶褐色になることもありますが、こちらも徐々に薄くなり、消えていきます。

ストリッピング治療法とは

従来、ストリッピング手術は下肢静脈瘤の“標準術式”でした。 傷んだ伏在静脈内にワイヤー(ストリッパー)を挿入し、静脈を抜き去り取り除く手術です。

伏在静脈をすべて抜き去ろうとすると(全長ストリッピング)、併走する神経を損傷する可能性が大きいといわれています。 最近では、超音波検査で逆流のある範囲をきちんと確認し、その範囲だけ(つまり“選択的”に)切除します。 深部静脈の開存が確認できていれば、傷んだ静脈を抜去しても問題はありません。

大伏在静脈本幹の弁不全が顕著な症例に対して、その弁不全を起している静脈を抜き去るのがストリッピング術であり、下肢静脈瘤の根本的な治療法として従来から行われてきました。

鎮静剤と局所麻酔を用いた手術です。脚の付け根を2cmほど切開し、大伏在静脈を根元で切断し、根元周囲にある枝分かれの処置を行います。さらに、膝の内側を1cmほど切開してストリッピングワイヤーを通し、脚の付け根までの大伏在静脈を抜き去るという2段階で手術を進めます。主にレーザー手術ができない方に行います。

ストリッピング手術は、逆流のある傷んだ静脈を取り除くという理にかなった治療なので、再発の可能性は低いといわれています。

ストリッピング治療の危険性あるいは合併症

出血や神経障害が考えられます。

ストリッピング治療の手術の流れ

  1. ①手術当日
    超音波検査で手術部位をしっかり確認ししるしをつけます。
  2. ②手術室へ
    手術室に入り、点滴の準備や 心電図と血圧などのモニターを 装着します。
  3. ③手術開始
    局所麻酔を行って手術開始です。
  4. ④手術終了・ご帰宅
    手術所要時間は約30分が目安です。 手術後すぐに立てますのでご帰宅可能です。
  5. ⑤術後について
    1週間以内に超音波検査を行い、 傷口のチェックを行います。
*手術後の入浴とシャワー

手術当日は入浴とシャワー禁止です。翌日からはシャワーは可能です。入浴は手術後2日目から可能になります。

弾性ストッキング

弾性ストッキングは足に適度な圧力を与えて余分な血液や水分がたまることを予防し足の深部にある静脈への流れを助ける医療用のストッキングです。

血液を心臓に戻しやすくするため、足首の圧迫圧が一番強く、上に行くに従って段階的に弱くなる段階的圧迫法という設計がされており、正しく着用しないと効果が得られないだけでなく、トラブルを招くこともあります。

そのため、着用に際しては、十分に説明を受ける必要があります。弾性ストッキングにはいくつかの仕様の違いがありますので、医師や弾性ストッキングコンダクターが症状に合ったものを選びます。

(当クリニックではコンダクターが常勤しております。)

弾性ストッキングを着用する圧迫療法は、進行防止や現状維持を目的としたものですので、下肢静脈瘤自体を治すわけではありません。ただし、硬化療法後の治療で静脈瘤圧迫に使用することもあります。

通常、朝目覚めたら着用し、眠る時に外しますが、着用期間については医師の指示を守ってください。

弾性ストッキングの着用時ポイント

医師や弾性ストッキングコンダクターの指示のもとで適切なものを選び、充分な効果を得るために正しい使い方を覚えましょう。

圧迫圧の強さや丈の長さなど、弾性ストッキングには様々な種類のものがあり、適したものは病気の症状や程度によって異なってきます。

履き続けることで、効果を発揮します弾性ストッキングの装着は慣れるまでなかなか大変だと思います。毎日の装着が難しいと着用が続きません。

履くのに時間がかかりすぎたり、うまく履けない場合にはご相談ください。違和感があったら使用を中止しましょう。

弾性ストッキング装着中にしびれや痛みを感じたら圧迫によって血行障害が発生していたり、それが悪化している可能性がありますので速やかに使用を中止してください。皮膚が弱い方は弾性ストッキングでかぶれることがあります。こうした症状が出た場合にはすぐに使用を中止し医師に相談してください。

弾性ストッキングを新しいものに取り替えるタイミング

医療用弾性ストッキングは、装着と洗濯を繰り返すことで徐々に圧迫圧は落ちていきます。

圧迫圧が弱まれば効果がなくなりますので、2枚を1日おきに装着した場合、新しいものに取り替える目安は半年とお考えください。

また、伝線などで破損した場合にも効果はなくなりますので、その際には速やかに新しいものに取り替えましょう。

そしてハサミで切るなどした場合も効果のある圧迫圧を得られなくなりますので、ご注意ください。

弾性ストッキングを使用時に注意するポイント

  • たるみやしわができないように均一に履いていきます。
  • 折り返して装着すると局部的に強い圧がかかり、痛みを引き起こしたり血流障害を悪化させる可能性があります。
  • ストッキングですのでなにかに引っかかると伝線するなど生地が損なわれ圧迫圧を得られなくなります。
  • 手の肌荒れ、尖った爪やささくれ、鋭利なものに気を付けてください。
  • はさみで切る、伝線した部分を縫うなど、加工や修理を行うと適切な圧迫圧が得られなくなります。

弾性ストッキングの装着手順

  1. 弾性ストッキングに手を入れて「かかと部分」を内側からつまみ、そのままストッキングをひっくり返します。
  2. かかとを下側にして両手の親指で左右に押し広げ、そのまま足先から一気にかかとまで挿入して、かかとの位置を合わせます。
  3. 裏返ったストッキングの端を持って足首からふくらはぎ、膝と少しずつたくし上げながら履いていきます。

※普通のストッキングのようにかかとのところでたわませながら履こうとすると、弾性ストッキングは生地の伸びが悪いため履きにくくなります。

裏返して少しずつたくし上げながら履きましょう。

弾性ストッキングの脱着時のポイント

ずり下げず、弾性ストッキングを裏返すように脱いでいきます。
下肢静脈瘤の診察は手術も含めて基本的に全て保険適用です。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

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