下肢静脈瘤治療の種類と費用
下肢静脈瘤では、血液の逆流が続くことで、脚のむくみ、重だるさ、こむら返り、かゆみ、血管のふくらみなど、さまざまな症状があらわれることがあります。こうした症状が続いている場合には、原因となっている静脈に対して、血管を閉じる、あるいは必要な範囲を処置することが治療の基本になります。見た目だけの問題と思われがちですが、毎日の生活のしづらさや皮膚症状につながっている場合には、適切な治療を考えることが大切です。
秋田血管外科クリニックでは、下肢静脈瘤に対して、硬化療法、血管内カテーテル焼灼術、ストリッピング手術など、状態に応じた治療をご案内しています。どの方法が合うかは、静脈の逆流の場所や範囲、脚の状態、症状の強さ、ご本人のご希望によって変わります。JR秋田駅徒歩3分、フォンテ秋田7Fの当院では、診察から検査、治療のご相談までを丁寧に行い、できる事とできない事を明確にお伝えしたうえで方針を一緒に考えています。
下肢静脈瘤の治療法について
下肢静脈瘤の治療は、すべての方に同じ方法が当てはまるわけではありません。逆流のある静脈をどのように処置するかを考えながら、体への負担や生活への影響も含めて選んでいきます。
主な治療法として、次のような方法があります。
- 硬化療法
- 血管内カテーテル焼灼術
- ストリッピング手術
- 弾性ストッキングによる圧迫療法
- 運動療法や生活習慣の見直し
このページでは、主に処置や手術を含む治療法と、その費用の目安についてご案内します。
下肢静脈瘤治療の費用について
当院の下肢静脈瘤診療は、基本的に保険診療で行っています。手術も含めて基本的に全て保険適用です。自由診療や混合診療は行っておりません。費用は保険負担割合や治療内容によって変わりますが、目安は次の通りです。
| 診察内容 | 3割負担の場合 | 1割負担の場合 |
|---|---|---|
| 初診時(初診料・超音波検査) | 約2,800円 | 約900円 |
| 硬化療法 | 5,160円 | 1,720円 |
| ストリッピング手術 | 30,600円 | 10,200円 |
| レーザー治療(1470nmレーザー) | 30,600円 | 10,200円 |
| 高周波治療(ラジオ波) | 30,600円 | 10,200円 |
表に記載している金額は、片側を行った場合の自己負担額の目安です。診察料や検査内容、処置の内容によって前後することがありますので、実際の金額については診察時にご説明します。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
※治療方法や年齢によって負担額が異なります。
民間の保険について
任意で加入されている医療保険や生命保険では、下肢静脈瘤の日帰り手術に対して給付金の対象となることがあります。対象になるかどうか、また給付の内容は、契約している保険会社や商品によって異なります。
一般的には、ストリッピング手術、レーザー治療、高周波治療などが給付対象になる場合がありますが、詳細は必ずご加入の保険会社へご確認ください。給付を希望される場合は、保険会社所定の診断書をご持参いただければ、当院で記載についてご案内します。文書作成には所定の費用がかかります。
硬化療法について
硬化療法は、比較的細い静脈瘤や、目立つ枝の静脈に対して行われることが多い治療です。下肢静脈瘤の治療で広く用いられていますが、伏在静脈本幹の弁不全が強い場合には、硬化療法だけでは十分な効果が得られにくいことがあります。そのため、血管内カテーテル治療と組み合わせて行うケースもあります。
硬化療法の方法
気になる静脈に、フォーム化した硬化剤を注射し、その後に弾性包帯などで圧迫することで、血管の内側に炎症を起こし、患部の静脈を閉塞へ導く治療です。閉塞した静脈は、時間の経過とともに小さくなり、徐々に目立ちにくくなっていきます。
硬化療法の流れ
治療部位は、当日の状態やご希望をふまえて決めていきます。治療は横になった姿勢で行うことが多いですが、必要に応じて立った状態で確認しながら進めることもあります。
流れとしては次のようになります。
- 治療部位を確認する
- 消毒を行う
- 細い針で硬化剤を注射する
- ガーゼや包帯で圧迫する
- 24時間後に包帯を外す
- その後は日中に弾性ストッキングを着用する
弾性ストッキングの着用期間については、1週間後の診察で状態を確認しながらご案内します。
ご来院時の注意点
硬化療法のあとには包帯をしっかり巻くため、ゆとりのあるズボンや長めのスカートでのご来院が安心です。靴は、高いヒール、サンダル、ブーツなどは避けていただく方が過ごしやすいことがあります。
硬化療法の危険性あるいは合併症
しこりや色素沈着がみられることがあります。硬化剤を注入した部分にしこりができ、治療後2から3週ごろに目立ちやすくなることがありますが、その後徐々に小さくなることが多いです。また、治療した血管に沿って茶色っぽく見えることがありますが、こちらも時間の経過とともに薄くなることがあります。
血管内カテーテル焼灼術について
血管内カテーテル焼灼術は、現在の下肢静脈瘤治療で広く行われている方法のひとつです。細いカテーテルやレーザーファイバーを血管の中に入れ、原因となっている静脈を内側から焼灼して閉じていきます。従来のストリッピング手術や硬化療法と比べて、傷が比較的小さく、体への負担を抑えやすい方法として選ばれることが増えています。
血管内カテーテル焼灼術の方法
膝の内側やふくらはぎ付近から細いファイバーを挿入し、伏在静脈本幹を焼灼します。血管の内側を焼くことで血液が通らなくなり、問題となっている静脈を閉じます。レーザーの熱は静脈壁に直接作用するため、治療効果が得られやすい方法と考えられています。
保険適用となる治療
保険適用となっている下肢静脈瘤の血管内焼灼術にはいくつかの方法があります。当院では、状態やご希望に応じて選択できるようにしています。
ELVeS1470/エンドサームレーザー1470
1470nmレーザーを用いる血管内レーザー焼灼術です。原因血管に細いレーザーファイバーを通し、血管の内側からレーザー光を照射して閉じていきます。光ファイバーの改良により、周囲に均一にエネルギーを届けやすくなっている点も特徴です。
高周波治療
高周波治療は、レーザー治療と同様に、原因血管に細いカテーテルを入れて内側から血管を焼く方法です。高周波専用カテーテルを用いて、一定の条件で処置を進めていきます。レーザーと同じく、原因となっている静脈だけを選択的に閉じる考え方で行います。
カテーテル治療の利点
カテーテル治療には、次のような特徴があります。
- 比較的小さな傷で治療しやすい
- 局所麻酔で行えることが多い
- 日帰りで対応しやすい
- ご高齢の方でも検討しやすい場合がある
- 原因血管を内側から処置できる
- 術後の回復を考えやすい
また、細いファイバーを用いるため、傷口が目立ちにくいこともあります。ただし、すべての方に同じように適しているわけではなく、血管の太さや曲がり方によっては別の方法が適していることもあります。
カテーテル治療手術の流れ
手術当日は、まず超音波検査で治療部位を確認し、しるしをつけます。その後、手術室で点滴の準備を行い、心電図や血圧などのモニターを装着します。局所麻酔を行って治療を開始し、手術時間は1か所あたり約15分が目安です。終了後は包帯と弾性ストッキングを着用し、ご帰宅いただきます。
術後は、3日以内を目安に超音波検査を行い、伏在静脈のつけ根の状態などを確認します。
手術後の入浴とシャワー
手術当日は入浴とシャワーは控えていただきます。翌日からシャワーが可能となり、入浴は手術後2日目から可能となるのが一般的です。詳しくは術後にご説明します。
血管内カテーテル焼灼術の危険性あるいは合併症
焼灼部位の皮膚に色素沈着や引きつれ感が出ることがありますが、時間の経過とともに落ち着くことがあります。また、治療した静脈と正常な静脈の接合部に、一時的に血栓のような変化がみられることがあります。通常は経過とともに落ち着きますが、大きくなっていないか、形が不整でないかを、術後の外来通院とエコー検査で確認します。
ストリッピング手術について
ストリッピング手術は、以前から下肢静脈瘤の標準的な手術として行われてきた方法です。傷んだ伏在静脈の中にワイヤーを入れ、原因となる静脈を抜去します。現在は血管内カテーテル焼灼術が主流になってきていますが、血管の状態によっては、ストリッピング手術が適しているケースもあります。
ストリッピング手術の考え方
伏在静脈をすべて抜去すると、並走する神経に影響する可能性があるとされているため、現在では超音波検査で逆流のある範囲をしっかり確認し、その部分を選択的に切除する考え方がとられています。深部静脈の流れが保たれていることを確認できれば、傷んだ静脈を取り除いても問題が少ないと考えられます。
手術の方法
大伏在静脈本幹の弁不全が強い症例では、その原因となっている静脈を抜去する方法が選ばれることがあります。局所麻酔や必要に応じて鎮静を用い、脚の付け根付近と膝の内側を切開して手術を進めます。主にレーザー手術が難しい方に行うことがあります。
ストリッピング手術の流れ
当日は、まず超音波検査で手術部位を確認し、しるしをつけます。手術室で点滴の準備とモニター装着を行い、局所麻酔で手術を開始します。手術時間は約30分が目安で、終了後は歩いてご帰宅いただけることが多いです。
術後は、1週間以内に超音波検査や傷口の確認を行います。
手術後の入浴とシャワー
手術当日は入浴とシャワーは控えていただきます。翌日からシャワー、手術後2日目から入浴が可能となることが一般的です。
ストリッピング手術の危険性あるいは合併症
出血や神経障害が考えられます。術後は傷の状態や歩行のしやすさも含めて確認していきます。
どの治療を選ぶかについて
下肢静脈瘤の治療では、どの方法がいちばん優れているかを一律に決めることはできません。血管の太さ、逆流の範囲、血管の曲がり方、皮膚症状の有無、年齢、生活背景などによって、合う方法は変わります。
当院では、超音波検査で状態をしっかり確認したうえで、
- 今は保存的な治療でよいのか
- 硬化療法が合うのか
- 血管内カテーテル焼灼術が向いているのか
- ストリッピング手術の方がよいのか
を整理してご説明します。疑問や不安を残したまま施術を行うことはありません。
下肢静脈瘤治療についてのよくある質問
Q1. 下肢静脈瘤の治療はすべて保険適用ですか
A1. 当院では、下肢静脈瘤の診療は基本的に保険診療で行っています。自由診療や混合診療は行っておりません。詳しくは診察時にご説明します。
Q2. レーザー治療と高周波治療はどう違いますか
A2. どちらも血管の内側から原因血管を閉じる治療です。用いる機器や熱の加え方に違いがありますが、どちらが適しているかは血管の状態によって判断します。
Q3. 硬化療法だけで治療できますか
A3. 比較的細い静脈瘤には向いていることがありますが、伏在静脈本幹の逆流が強い場合には、硬化療法だけでは十分でないことがあります。その場合は別の治療と組み合わせることがあります。
Q4. 手術を受けたらすぐ帰れますか
A4. 日帰りで行える治療が多く、術後に歩いて帰宅できることが一般的です。ただし、術後の注意点や通院日は治療内容によって異なります。
院長より
下肢静脈瘤の治療は、ただ血管をなくすことだけが目的ではありません。脚のだるさやむくみ、こむら返り、見た目の悩みが少しでも軽くなり、毎日を過ごしやすくすることが大切だと、私たちは考えています。そのためには、今の状態を正しく把握し、患者さんご本人が納得できる治療法を選ぶことが欠かせません。
秋田血管外科クリニックでは、診察から施術、その後の確認まで丁寧に行い、できる事とできない事をはっきりお伝えしています。健康な身体をお預かりする責任があるからこそ、治療を急がせることはせず、必要な方に必要な説明を行い、場合によっては治療をお勧めしないこともあります。下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施医、指導医としての経験や、血管外科に関わる学会での知見を踏まえながらも、私たちが大切にしているのは、患者さんが安心して相談できることです。秋田市、秋田駅周辺で下肢静脈瘤治療をご検討の方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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